今週はひたすら引きこもってゲームでした。というわけで積みゲーでいつかやろうリストにあったギャルゲ「車輪の国、向日葵の少女」をクリアしました。Xbox360版で実績1000までやって40時間ぐらい。プレイする前に軽くプレイ時間を調べた感じだと20時間ぐらいと書いてあったけど、Xbox360版はファンディスクとかの内容含んでたりするのでそこまでやろうとすると結構時間かかるのね。
感想としては、なかなか泣けて良かった私にヒットしたシナリオが1本に、物語のギミックとして驚いたし感動したものがひとつという感じ。いやはや、そういう仕掛けなのか・・・と関心。本当に直前まで気付かなかったよ。とまぁ、あとは色々書くとネタバレになるので・・・
↓ネタバレ有り感想
1章までプレイ
導入部分、世界観の説明やらキャラ紹介やら・・・ヒロインキャラでは三ツ廣さちが一番気になったな。日向夏咲がメインヒロインであろうことはわかったんだけど、意図しているんだろうけどどうもこのおどおどしているキャラの第一印象が良くなく。
他に気になったところといえば、卯月セピアだな。こいつかなりぶっ飛んでるけど、意味ありげなことも言ったり・・・これ法月将臣の手先だったりしないのかな?
2章までプレイ
「活動時間制限」なる「義務」を負わされていて気になった。本来平等である時間というものに対して制限が課せられるというのはどういう感じなんだろう?現実にも短時間睡眠で平気な人と長時間寝ないと調子が悪い人が居て実質的に活動時間に不公平が起きている状態だと思う。実際私は多く睡眠を取る方だし、すこしだけどさちへの共感があった。
メインシナリオに関わりそうな部分としては洞窟探検でみつけたデータディスク。暗号化解除のキーは姉が持ってるらしいが、姉はどうやら義務を負わされていて連絡が取れない状態みたい。森田賢一の目的はその姉を救い出すために特別高等人を目指しているのかな?テロを起こした家系の人だから、他人との接触禁止とかそういう義務なのかな?それを特別に許される特別高等人になろうとかそういう感じな気がした。
というわけで、三ツ廣さち&まな編。このシナリオが一番良かった。さちと言うよりまながいい娘すぎた。まながさちのために家を出て行く所が一番キタ。決してハッピーエンドではない終わり方をして、これからさちはまなを取り戻すべく頑張っていくんだろうなと感動してスタッフロールを見終わったところに法月将臣登場・・・なんだこの怪しいやりとりは!なんか全て法月将臣に裏で操られてこちらの心まで操られているような気がして気持ち悪い。これで実はまなが法月の手先で三ツ廣さちを更生させるために送り込まれていたとかだったら衝撃だな。
3章までプレイ
大音灯花編。親権者に命令を矯正される「おとなになれない義務」を解消する話。
京子さんが情緒不安定すぎる。あんなに一見クールなキャラなのに・・・この親子は見た目とのギャップが特徴なのかっ!?
シナリオとしてはそこまでヒットする感じではなかったんだけど、ツンデレっぷりがすごかった。というか二人になった時のデレっぷりがっ!かわいさで言うと灯花がこの3ヒロインの中ではカワイイキャラになりそうだ。
そして、あいかわらずの法月将臣の暗躍っぷりがなんとも、シナリオクリア後の種明かしっぽいこのシーン。代理家族サービスだとっ!?こういう話をちらつかせてシナリオの感動を潰してくる感じ・・・いったい何なんだ?
親権者研修についても何なんだろうな。それに行ってしまったら死亡確定みたいなあの感じは・・・。そんなんで国家が公的に人を殺してしまっていいのか?この世界、義務を追った人たちに対してはキビシイな。州外への移動禁止、逃げたら即発砲射殺もやむなしとか・・・。冒頭で特別高等人候補生がいきなり射殺されるところとかも、そんなに特別高等人は超法規的な存在なのか。
4章までプレイ
そして最後、日向夏咲編。このキャラがメインヒロインだとは思うんだが、どうも発言がオドオドしててはっきりしないしキャラの魅力も無く第一印象は良くないんだよね。
何度か自分がケンであることを告げようとするがなかなか話せない。過去の話とかも入ってきていよいよ物語の確認に迫る感じ。法月はケンが樋口健であることを知っては居るんだが、利用しているつもりなんだろうけどどういうことなんだろう?本当におやじ樋口三郎を殺したのは法月将臣なのかな?
「リボン、可愛いね」ここからはじまる森田賢一がケンちゃんであることの告白。こんなに変わってしまった私を見られたくなかったと悲しむ夏咲を触れ合ってはいけない義務を課せられている中で森田賢一の方から抱きしめてしまう。ケンのために義務を解消しようと、あの眼力の鋭い法月将臣に睨みつけられながらもケンのことは好きじゃない、嫌いだと嘘を突き通す精神力。そこまでしておいて、最後の最後で義務に違反していることを実は法月将臣は知っていてつきつけられ、そこでもケンをかばうべく義務に違反したのは私です。ケンちゃんが大好きだからですと告げる・・・すごく強い娘だ。最初の印象は完全に変わった。
惜しむらくは、この日向夏咲との幼いころの思い出をプレイヤーとしては序盤から共有していないせいで、再会した時の変わってしまった感じ、なんでそうなっちゃったんだ?みたいな感じが一度シナリオを最後までやらないとわからないところが、プレイヤー自身と主人公森田賢一との思考のギャップになってしまってる。もう少し序盤で本来の夏咲の明るさを知っておきたかった。森田賢一がなんであんなに執拗になっちゃんなっちゃんとかまっていくのかがそれを知らないとプレイヤー自身とのギャップになってしまってちょっと変な感じだった。
5章
お姉ちゃんキターーーー!!!てかずっときてたのか、すげぇびっくりした。まぢで直前まで気付かなかった。あれ?って・・・「ため息が聞こえた気がした」とかは本当にそうなのかな?とか思ってた。章タイトルとともに出てきた一枚絵ですげーーーーすげーーーって。
ジュラルミンケースにお寿司入れて帰るとか変だと思ったんだが、ねえちゃんのためだったのかな?いやに多いひとりごとなどなどたびたびある違和感・・・これかぁ
極刑の予想はあたってたんだな、でもまさかずっとそばに居たとは気づかなかった。三ツ廣さちのところで「風かな?」みたいな演出も思えば変なんだよ、だってこのシナリオでそんなところ描く必要なんてないわけだし。冒頭から日向夏咲が「何かに気づいたように」ってところもじっくり読めば変・・・だけど何かに気づいたんだなーっとさらっと流してしまってる自分が居た。
この作品の一番の驚きはもうこの5章タイトルの出る瞬間だね。いや、まぢでびっくりした、こんな騙され方をしていたとはまるで気付かなかった。Ever17のあのシーンと同じぐらいの驚きだなw
法月将臣との対決もなかなか、足が悪いという嘘、森田賢一が麻薬をやってるという嘘、ずっと長い期間お互い騙し続けてここぞというところで使う奥の手同士のぶつかり合い。どっちも見事に騙されたね。
最後の洞窟。はしごを落としたのは法月将臣だと思うけどなんだろう?結局樋口三郎の友人として息子を強く育てるためにそういうことをしたのかな?その割にはずっと冷徹だったと思うけど、あそこまで厳しくなれるものなのだろうか?洞窟を抜けた後はどのシナリオでも便宜を計ってくれたみたいになってるけど・・・本当にめちゃめちゃキビシイ人だったってだけなのかな?
法月編
全部のシナリオをクリアしたら、ファンディスクに収録されたらしいシナリオがオープンした。プレイ時間は5時間程度。法月将臣の過去、樋口三郎との特別高等人最終試験の話、そして本編後のアフターストーリー。
このシナリオをプレイした後だと、本編やってる時は法月と苗字で呼んでたけど将臣、いや阿久津って呼びたくなる。本編をやってるので地下牢があって、捕まって脱出に5年もかかって・・・名前が阿久津から法月になってるので最後には法月アリィに屈してしまうんだろうとか色々わかった上でのストーリー。シナリオの展開も法月将臣がそうしていたのか本編のポイントポイントでなぞるようになってて、展開は分かるけど気になる感じで面白かった。あの法月将臣がSF小説にはまってしまう、法月アリィによって思考を誘導されてしまう、本編であったネタがあちこちに散りばめられてあってよかった。
結局本編主人公の森田賢一は拾ってきた子供なのか、それでもあそこまで三郎がこだわってるのがなんとも・・・。ケンの名前について3人で1字ずつ提供して決めようとして、結局1字を提供しなかった法月将臣が偽名を与えて、育ての親となるというのがなんとも。このシナリオやると法月将臣は過去自分が屈してしまったルールを変えるという夢を森田賢一に託したかったんだろうな。そのために厳しく育て、自分と同じような試練を与え、それを乗り越えられるか試していた。最後の最後で諦めてしまった自分と、乗り越えてきたケン。はしごを落とすという最後の試練も希望を絶たれた時に前に進むか、あきらめるかを試してたんだな。どう考えても絶望しか無い、はしごを登った先には敵が居てどうしようもない。あの時の山越えルートのような選択をするかどうか・・・そういうのを試して乗り越えたことによって森田賢一に夢を託す気になったんだろう。
そして、法月将臣自身も最後に雑賀みぃなを助けるべく強制収容所への侵入を試みる。本編をやってた頃のクールな印象とはやっぱり違うね。的に囲まれてどうなるっ!?ってところでシナリオ自体は終わってしまった、続きが気になる。そして、こうなってくると法月アリィの過去も気になるな。彼女も生い立ちからして色々ありそうだし・・・
というわけで、なかなか楽しませてもらえいました。やっぱりエンディングやシナリオとしては三ツ廣さちとまなの話が一番良かった。まなが連れて行かれた後、絵で受賞してまなと再開するところとか本当にもうっ!まなもそれなりの立場になってたし、法月編をやったあとだと、ちゃんと便宜をはかってくれたんだなと思う。灯花編でも代理家族サービスがどうのとかちらつかせてたけど、灯花ENDでは両親共によさそうな感じだったし。
そしてなによりもこの作品の一番のギミック、極刑にされた璃々子さんの登場シーンがすごかった。これは強烈なインパクトを残したね。いろんな人に薦められるわけだ。こういう伏線は張られてても気づかない、あっと驚かされる感じのギミックって本当に楽しいね。