2011年5月5日木曜日

この世の果てで恋を唄う少女YU-NO クリア


今年のゴールデンウィークは引きこもってギャルゲ三昧しております。名作と言われつづけてもう随分経つこの作品『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』をプレイしてみました。発売が1996年ともう15年も昔の作品になるんだな。プレイしたのはWindows移植版。タイトルバーが半透明のウィンドウになるような時代にこのゲームをプレイすることになるとはねw

感想(ネタバレ無し)


 まずは、ゲームシステムから。基本部分は当時のエルフでスタンダードだった画面をクリックすることで調べるや話すなんかのアクションを起こしていくタイプ。最近のゲームだと逆転裁判が近いかな?どうでもいいような背景のオブジェクトにもちゃんとテキストが仕込んであって、主人公のひとりごと、ひとりツッコミなんかが入る感じがすげぇ懐かしい。
 あと、当時のDOSゲームを頑張って再現している感じでパレットアニメーションや16色でディザリングしてるあたりもなんとも懐かしい。色数を節約するためにシーンに対する色の系統が統一化されるんだよね、この画面みたいに夜は青系統とか。


 独特のゲームシステム「A.D.M.S」(Auto Diverge Mapping System)。マルチシナリオのアドベンチャーゲームの分岐をダンジョンゲームのオートマッピングのようにシステム側で記録していって、今自分がどのシナリオのどの分岐にいるかが分かるようなシステム。これによって、分岐がどのタイミングで行われているかを把握できるし、こっちの分岐にいくとこのキャラクタのシナリオの方に分岐していくなんかがアバウトにわかって攻略の手がかりとなって面白い。
 ここにさらにもう一つ「宝玉セーブ」というゲーム内アイテムと絡めたシステムがあって、この宝玉をA.D.M.Sの分岐マッピング上に設置しておくことで、どこからでも、その時持っていたアイテムを保持したまま分岐へワープすることができる。これを駆使して、あっちのシナリオで手に入れたこのアイテムをこっちのシナリオで使って・・・みたいな攻略ができて楽しい。最近サウンドノベルタイプのあまり分岐の存在しない物語を読むことをメインとしたゲームをやることが多かったので、こういう形で物語全体のシナリオや分岐ポイントを頭に置きつつ、このアイテムはあそこで使えるかも!?とか想像しながらプレイするのも楽しかった。

 総プレイ時間は35時間ぐらい。結構ボリュームあったな。世界設定とかもしっかりしててシナリオもよく。ゲームシステムもそれらとバッチリあっててすばらしかった。流石これだけ時間が立ったあとでも名作だったと言われてるだけある。発売後数年しても名作と言われ続けてるようなものはやっぱり面白いね。

以下ネタバレあり感想























 とりあえず昔のゲームなので、やたら詳しいwikipediaへのリンクを貼っておく

ゲームシステム「A.D.M.S」

 このA.D.M.Sというゲームシステムは素晴らしいね。物語の世界設定が平行世界を行き来するような物で、そこ上手く融け込むようにゲームシステムを組み込んだ形が素晴らしい。オープニングで見た親父の書斎の「宝玉」を回収するために「書斎の鍵」が必要で、その鍵を持っている神奈を助けるために「超念石」が必要。その「超念石」は別の並列世界(別のシナリオ)でしか手に入らない。超念石が置いてある研究室に入るために「ブルーカード」というセキュリティカードが必要で、その「ブルーカード」はまた別の平行世界で亜由美さんから託される物。亜由美さんを助けるためには証拠の写真が・・・と、複数の並列世界が複雑にからみ合って、それらを宝玉セーブによって行き来することでクリアしていく。この感じが面白かった。
 ただ、最初に宝玉自体があまり無くて、序盤はこのシステム自体を上手く理解できてなかったので多少面倒ではあった。自室で序盤で手に入るはずの宝玉をなかなか見つけられなかったのが敗因か。最近のゲームだとユーザーができるだけ詰まってしまわないようにゲーム内にヒントをすごく多く配置して答えへ誘導するようにつくってあるものが多いけど、このころは逆で心理的に選びそうなものの裏を書いたところに答えを用意してあるパターンを多く感じた。序盤の自室の宝玉も書類を見つけておいてわざわざ「読まない」という選択を選んだ時に見つけられるとかヤラレタ。CTRLスキップがあったせいで読むをカチカチっと押してしまっても気になるほど時間がかからなかったんだよな。当時のスペックのマシンだとそれなりに時間がかかって、ちゃんと「読まない」の選択肢を選ぼうという気になったのかもしれないな。まぁ現在の全体的に難易度が下がったゲームに慣れてしまってるせいかもしれん。
 まぁその辺の文句はおいといて、このシステムで最高に感動したところが、本当に最後の最後。異世界でユーノに宝玉を託して別れたあと、現代にもどってきて地下の部屋に閉じ込められた所に復帰した状態でプレイヤーが自らA.D.M.Sのマップをひらいてユーノが居ないか、託した宝玉セーブがあるか探す・・・あの感じが素晴らしかった。物語を神の視点から眺めることが多いこういうアドベンチャーゲームにおいて、プレイヤーと主人公の位置を近づけ気持ちを共有させる、共有できるような作りをこのゲームシステムとして組み込んだのはすごく良かった。

詰まった所など

 オープニングのヒント・・・というか答えを見逃してしまっていた。というか、最初に起動したときに、長時間続けてプレイするつもりで飲み物をとりに席を離れちゃってオープニングシーンを見てなかったんだよね。戻ってきてみたらデモプレイ見たいのをやってて「これネタバレになるんじゃ!?」って焦って消したあと、今後はネタバレみないようにするために起動時のエルフロゴの所で必ずクリックしてメニューへスキップするようにしちゃったんだよな。
 あと、そもそも、連続プレイをし続けたのでオープニングをみる確率自体が低かったのかも。これもゲームスタート時に強制的に見せてくれればなぁ とか思ってしまった。

 今川教授の「ハンディコンピュータ」これを取りそこねて、現代編最後の文字盤の謎が解けなかった。というか、コレ無しで時計の文字盤ヒントからイラストロジックパズルを解いてしまったのが間違いだったのかも。流石にロジックパターンを重ねたものの情報までは覚えてなかったのでハンディコンピュータ無しであの文字盤の答えにはたどりつけなかった。
 イラストロジックパズルを解いた後で澪がさかんに「今川教授のメモを見ずにあの謎をといてしまうなんてすごい」とか「今川教授のメモによれば・・・」みたいなことを言い続けてたので、若干??ってなって何か飛ばしたかな?とは思ったんだがそのシナリオのエンディングまでは普通にたどり着けてしまったので深く考えなかった。後から回収しに行くのが大変だった・・・

その他、感想など

 異世界編に入った時は、これは8000年前の過去に飛ばされたのかな?って思ってたが、過去とか未来みたいな時間概念が超越されてたw 結局、この異世界の現世界に対する事象公転周期が400年で8000年に一度事象衝突をしてしまう定めになってると言うことなのかな?で、その自称衝突をさけるためにどんなに頑張っても現世界の8000年前に異世界を実体化して物理衝突してしまうぐらいの回避策しかなかった。という話か。絵理子先生の話は難しくて大変だw
 ただ、これ異世界が8000年周期でループしてるとしても、ブリンダーの木で見た場合は事象衝突をさけるために8000年前の地球に物理衝突をしたという歴史が異世界主観の時間周期で8000年毎に繰り返されることになるよね。そうなるとそのたびに現世界の平行世界がつくられ続けるってことなのかな?そうなるとこの平行世界は無限に広がっていくわけか・・・ゲームプレイヤーの数だけそういった異世界デラ=グラントを含めた事象体系の平行世界・・・並行ブリンダーの木があるとか考えるとちょっと楽しい?w

 クンクンの話はなんともきつい話だ。どうにもならない最悪の選択を迫られてる感じ。ユーノを巫女として世界を救うというのもどうにもならない最悪の選択なんだろうけど、こちらはエンディングが用意されてちゃんと救われている感じがあるが、このクンクンの話はその後のフォローもハッピーエンドにするための可能性のカケラも無い感じで印象が強かった。苦しい話だ。

 神奈の母親はデラ=グラントで会ったアマンダでいいんだよね?異世界編の最後で龍蔵寺に飛ばされてしまう時まで連想もしなかった。誤差50年っていうのが、剣ノ岬の奇岩が実は50年前には3つあったという話と連想されて!!?ってなった。ユーノが成長していく過程を見たときに神奈自体が異世界からやってきた民族だとは思ってた。幼年期が短くて成体期が長いって設定が同じだからね。アマンダについてはその後、神奈ENDシナリオをやる際にもう一度写真を見たら、左腕に特徴的な腕輪をしているのを見て、こんなところにもちゃんと伏線が貼ってあったのかと感動した。
 でも、そういうことは神奈はアマンダと主人公の娘になるのか・・・ユーノといい神奈といい、亜由美さんもか、この主人公は親子と関係もちすぎじゃねーか?それで、テキストに*年とか自分の**とか倫理対策で伏字になってるのかな?


 異世界編クリア後の現代編エンディングがちゃんと用意されてるのは感心した。ただ、そこまで長いシナリオとして用意されてなかったのでちょっとしたご褒美なのかな?神奈シナリオだけは異世界との絡みが強いのかアマンダとの関係を暗に示すような内容をふくんでて良かったな。

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